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プラスチックのリサイクルに新技術


物質工学工業技術研究所 首席研究官
田辺 和俊


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要 旨

 プラスチックは国内では毎年1500万トン以上生産されているが、その種類が多岐にわたっているばかりでなく、同一プラスチックでも物性、いわゆるグレードの異なるプラスチックも製造されている。近年では環境問題からプラスチック廃棄物のリサイクルが必須の課題となっている。プラスチック廃棄物のリサイクルにおいては、再生材料の特性を向上させるために、プラスチック廃棄物を種類によって分別するだけでなく、同一種類のプラスチックをグレードによって分別することも要求されている。なぜならば、再生材料はそのグレードによって製品価格が大きく異なるからであり、たとえば高密度のポリエチレン( HDPE )は低密度のポリエチレン( LDPE )より2倍以上価格が高いからである。プラスチックの種類の判別には近赤外スペクトルによる非破壊測定が有効であり、我々も50種類以上の多種類のプラスチックの判別技術の開発に成功している。しかし、グレードの判別は近赤外スペクトル測定ではこれまで困難とされ、主として中赤外スペクトル測定で判別が行われていた。しかし、中赤外スペクトル測定では近赤外スペクトルのような非破壊測定は困難であり、近赤外スペクトル測定による迅速判別技術が要求されていた。そこでプラスチックにポリエチレンを選び、HDPE と LDPE のグレードの判別を近赤外反射測定とニューラルネットワーク解析を組み合わせて可能かどうか検討した。

 14種類( HDPE 6、 LDPE 8 )のPE製フィルムおよびシートについて 1.1 〜 2.2μm 域の近赤外反射スペクトルを測定し、得られたスペクトルをニューラルネットワークで学習して判別テストを行った。的中率を求めた結果、14種のPEのスペクトルが HDPE と LDPE に100%識別できた。主成分分析の結果も HDPE と LDPE が空間内で明確に分散しており、近赤外スペクトル測定とケモメトリックス解析を組み合わせることにより、HDPE と LDPE は完全に判別可能であることが分かった。

 また、今回の方法を用いれば HD と LD の判別だけでなく、密度の定量的な決定も可能であると考えられる。さらに、今回の方法は PE 以外の高分子のグレードの判別にも適用可能と考えられる。


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