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日本学術振興会

未来開拓学術推進事業

理工領域―4

「次世代プロセス技術」

 


研究推進委員会プロジェクト名次世代プロセス技術(図)活動ニュース連絡先


研究推進委員会

岸  輝雄  産業技術融合領域研究所・所長(委員長)

松山 久義  九州大学大学院工学研究科・教授

幸田清一郎  東京大学大学院工学系研究科・教授

小宮山 宏  東京大学大学院工学系研究科・教授

大坂 敏明  早稲田大学各務記念材料技術研究所・教授


「次世代プロセス技術」(研究推進委員会委員・岸 輝雄)

 日本における基礎研究の充実を求めた科学技術基本法に基づき、その一環として未来開拓学術推進事業が日本学術振興会のプロジェクトとして1996年より発足している。この事業の一つの部会として理工部会が設置され、初年度8つの分野が設定された。そのうちの一つが「次世代プロセス技術」分野である。

 次世代プロセス技術の分野は、現在の素材産業(化学工業、金属工業、セラミックス工業等)が熱化学反応に基礎を置いていることに基づき、次世代の素材産業を開拓する技術、環境問題を解決するする技術を推進するために設置された研究分野である。たとえば、ナノ構造材料を真に工業規模で生産する技術、超臨界条件下での化学反応の工業規模での利用法の確立、低温プラズマ反応の工業規模での利用などが目的の例として考えられる。これらのプロセスは現在世界的な開発競争のなかにあるが、高価な実験設備を必要とするものでもあり、基礎的に大学で研究を進める環境整備が強く要請されている。

 この分野を推進するにあたり、「次世代プロセス技術」研究推進委員会が設置された。本委員会で研究課題を推薦し、それを参考にして、理工部会および推進事業部会において最終的に研究テーマが決定されるシステムをとっている。重要なことは公募等に大きく依存することなく、ある程度トップダウン的にテーマを選定し、かつ研究を推進することにある。そう言う意味で研究推進委員会の責任は非常に大きなものである。2年後に評価を導入し、有望な研究は5年間の継続のなかでその実績を果たしていくことになっている。この間、このような形のレポートを発刊することにより広くこの分野の研究者の意見を集積し、産業に結び付くプロセスを構築することを期待している。

 同時に発足した高度プロセス研究分野がミクロなプロセスを取り扱うのに対し、この「次世代プロセス技術」はマクロなプロセスを取り扱うと共に、将来工業規模での利用が可能なスケールへの発展を目的としている。もちろん材料としては対象を広く考えるべきであるが、当面無機材料、金属材料、そして半導体を対象とする。この意味でプロセス全体を考える研究と同時に、材料開発の側面もこの「次世代プロセス技術」分野が担うことになる。

 これらのプロジェクト研究は、科学研究費補助金等と異なり、出資金による研究であり、論文等の成果に加えて、知的財産権にもその評価の部分が委ねられ、かつ真の工業利用につながる点にも力点が置かれている。これは決して基礎的研究を軽視したものではないが、工業利用という夢を実現するプロジェクトととらえるべきである。また研究を推進するにあたり、ポスドク等の採用、そして国内外との連携に大きなウエイトが置かれており、独自な取り扱いが可能なプロジェクトに成長することが特に期待される。いずれにせよ、積極的に研究者が研究を推進出来る研究分野に成長することを研究推進委員会としてもサポートし、かつ関係諸氏のご援助をいただきたいものと願っている。


次世代プロセス技術について(研究推進委員会委員・松山 久義)

 「次世代プロセス技術」研究推進委員会は、以下の4種の技術の研究推進を担当している。

(1) 新プロセスの開発技術

(2) プロセスの実現技術

(3) 製品の利用・再利用・廃棄技術

(4) トータルシステムの評価技術

 新プロセスとは、新物質・新材料を製造するプロセスと、より少ない資源・エネルギーを用いて、より少ない環境負荷の下に生産するプロセスである。当然、経済的に成立する可能性の追求が研究目的の中に含まれている。単に新物質・新材料を開発するだけの研究プロジェクトは、本委員会の担当するところではない。

 プロセスの実現技術は、単なる設計技術ではない。運用技術、廃棄・再利用技術を含めたプロセスのライフサイクル全体に関わる技術が完備し、経済的に成立する仕組みが実現して、はじめてプロセスを実現できる。本委員会は、このような観点からの研究プロジェクトを推進している。

 製品の利用・再利用・廃棄技術に関しては、個々の要素技術だけではなく、社会環境・地球環境の中にどのように取り込んでシステムを構成するかを重視したい。当然、物流プロセスを研究対象とするプロジェクトが必要であるが、種々の制約のために実現できなかったのは残念である。

 トータルシステムの評価技術は、従来、ゼネラリストと呼ばれる広いが浅い知識を持った人に委ねられて来た大規模システムの評価を、狭いが深い知識を持ったスペシャリストの集団に委ねることを可能にする技術である。社会環境・地球環境への影響を正確に予測するため、あるいは、企業間の熾烈な競争に勝ち抜くためには、従来行われてきたゼネラリストによる評価より遙かに高い精度の評価が要求される。トータルシステムの評価技術は、そのような要求に応えるものである。

 


プロジェクト名

平成8年度開始
@超臨界流体中の反応及び分離のプロセス構築へ向けた基礎過程解析
(荒井康彦・九州大学工学部・教授)

A材料プロセスにおける異常成長の制御
(小宮山宏・東京大学大学院工学系研究科・教授)

B量子ドットのウエハスケール形成プロセス
(大坂敏明・早稲田大学各務記念材料技術研究所・教授)

C異種材料の可逆的インターコネクション
(須賀唯知・東京大学先端科学技術研究センター・教授)

Dプロセス工業のための環境安全評価の技術情報基盤の構築
(仲 勇治・東京工業大学資源化学研究所・教授)

E低温プラズマの大面積・高密度化生成と制御、及びその工業化への応用
(堀池靖浩・東洋大学工学部・教授)

平成9年度開始

F多機能コンポジッド作製を目的としたプロセスの構築
(野末 章・上智大学理工学部・教授)

G構造用エコマテリアル創製のためのメゾスコピック材料プロセス技術
(小豆島明・横浜国立大学工学部・教授)

 


次世代プロセス技術(図)

 

 

 

 

各研究プロジェクトの位置づけ

(1) 新プロセスの開発

 (a) 新物質・新材料を製造するプロセス

    有機化学物質

 なし

    高  分 子

 E

    無機化学物質

 A B E

    半  導  体

 A E

    金    属

 G

    複 合 材 料

 F G

 (b) 省エネ・省資源・環境調和指向のプロセス

 @ G

(2) プロセスの実現

 C

(3) 製品の利用・再利用・廃棄

 C

(4) トータルシステムの評価

 D

 


活動

第1回公開シンポジウム(平成11年9月9日)

第2回公開シンポジウム(平成12年9月3日)

第3回公開シンポジウム(平成13年3月23日)予定

 


ニュース

第1号 平成9年8月
第2号 平成10年9月
第3号 平成11年6月
第4号 平成11年9月
第5号 平成12年6月
第6号 平成13年3月(予定)

 

 

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E-mail: nakajima@nair.go.jp