三宅島の8月18日噴火で放出された噴出物
村営牧場付近で採集(採集者:高田,伊藤)した噴出物が現地より到着したので速報する.
村営牧場(火口から南西約2km)付近から持ち帰った,“カリフラワー状”の外形を持つ噴出物.
径13cmほどの噴石.層序から大部分の火山灰降下後に落下したらしい.下面は平らで,それ以外の面はカリフラワー状.火山灰に埋もれていた部分では,火山灰が酸化して赤くなって付着している.また下面の赤色酸化火山灰中には,酸化した火山豆石もあり,堆積していた火山灰・火山豆石が堆積後に酸化したことを示す.平面に囲まれた古い溶岩の破片と思われる噴石には,このような酸化火山灰は認められない.
このことから,この噴石は,着地時に下面が平らになれるほど変形しやすく,火山灰を酸化させるほど熱かったと考えられ,今回の噴火の本質物(マグマ)に由来する火山弾と考えられる.
下面.酸化火山灰が付着している.
上記火山弾をカッターで分割した断面.特に急冷縁はないが,不均質に発泡したすじ状の部分が,表面まで達している.
阿古一周道路付近(火口から南西約3.5km)で採集されたちりめん皴がある火山礫と並べる.どちらも良く似た岩石学的特徴を持つ.

火山弾より先に降下堆積した火山豆石.左が火山灰層に含まれる普通の火山豆石で色は灰色.右は火山弾の下の火山灰層にのみ含まれる酸化して赤い火山豆石.
8月18日噴出物で認められたCored Bomb
外観は玄武岩質の火山礫.しかし密度がやや大きい.

分割すると,内部に古い溶岩片があり,それを玄武岩の薄皮が包んでいることがわかる.
同様の玄武岩に包まれた異質,類質礫がいくつかあるが,いずれも包んでいる玄武岩は,カリフラワー状火山弾,火山礫と同じ岩石学的特徴をもつ.
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Kawanabe Yoshihisa
yagi@gsj.go.jp