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ある土地に露出する地層や岩石の種類と時代を示し,それらの新旧関係や分布の状態を色や模様で示した平面図を地質図と言います.この地質図をある方向に切り,地下の地層・岩体の様子を描いたものが地質断面図です.地質図・地質断面図からは,その土地についてのいろんな地質情報を読み取ることができるようになっていますから,地下資源探査,ダムの建設やトンネルの掘削,地盤沈下や地震・火山災害の対策,地域開発を行う際の環境影響評価などを行う時,地質図・地質断面図があるととても役に立ちます.
地質調査所では地質に関する国土の基本図として,国土地理院発行の5万分の1地形図を基図とする地質図幅を全国にわたって作成しています.これには多色刷りの地質図・地質断面図と,区画内の地質の内容を詳しく述べた研究報告書とがセットになっています.これを普通「5万分の1地質図幅」と呼んでいます.地質図幅を作るためには,実際に現地にでかけて地層や岩石を観察したり,岩石や化石を採集して研究しなければなりません.その手順と様子を描いたのが右2ページのイラストです.パンフレットに紹介した「烏海山及び吹浦」と「信濃池田」の地質図は,このような調査研究を行ってできあがった5万分の1地質図幅の一部分なのです.
5万分の1地質図幅には,その地域の詳しい地質情報が盛り込まれていますから,これが20万分の1や50万分の1などの小縮尺地質図を編集する際の基図になります.
地質調査所では日本列島とその周辺海域を対象にした,いろんな種類の地質図を出版しています.20万分の1地質図は5万分の1地質図と同じように,国土地理院から発行されている同縮尺の地形図を地質図としてあらわしたものです.小縮尺地質図にはこのほか,50万分の1,100万分の1,200万分の1,500万分の1地質図が出版されています.これらの地質図は日本の地質をおおづかみにみるのに便利です.
縮尺200万分の1では,日本列島を手ごろな大きさの1枚の図面に納めることができるので,日本列島を対象にしたいろんな種類の主題図が作られています.たとえば,日本温泉分布図,日本油田・ガス田分布図,日本活断層図などがあります.これとは別に目的に応じた縮尺と範囲で出版される特殊地質図があります.これには,東京湾とその周辺地域の地質図(10万分の1),八甲田地熱地域地質図(10万分の1),筑波研究学園都市及び周辺地域の環境地質図(2万5千分の1)などが含まれています.そのほか,5万分の1地質図幅と同じようなシリーズものの地質図として,日本水理地質図,海洋地質図,火山地質図,活構造図,日本油田・ガス田図,日本炭田図などがあり,用途に応じて利用されています.
最近では地質図をデジタル化し,これをコンピュータで記憶・編集・出力して,これまでにない種類の地質図を作ろうとする試みが行われています.その一例として紹介したのが表紙の日本列島中央部の地質図です.これは,100万分の1日本地質図(第3版)の上に陰影化した地形情報を付け加えたもので,これまで平面的であった地質図が,この操作によって立体感のある地質図に仕上がりました.そのほか地質図ではありませんが,地質図や地質文献に関するデータベースとして,日本地質図索引図,地質図目録図,日本地質文献目録が市販され,広く利用されています.
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