点から線へ−ルートマップ−
それぞれの場所での観察結果は,フィールドノートと地図に記載されます.通常,野外調査では,できあがりの地図の縮尺よりも精度のよい地図を使って歩きます.時には地図に出ていない道を書き加える必要もありますし,位置を正確に知るためにはその方が都合がよいからです.これをルートマップと呼んでいます.
また,精度のよい地図は枚数も必要になってしまうので,野外から戻ったときに完成時の縮尺により近い地図にデータを書き写します.このとき,統一した色をつけたり,サンプルポイントを書き込んだりして全体の地質の様子を把握するのに利用します.
毎日の調査の結果を地図上に記すと,その地域内での地質の様子が網目状に浮かび上がってきます.これが,調査結果をまとめる上での基本的な図面となります.
地質図の調査は,1回だけでは終わりません.野外で観察した結果を確かめたり,わからなかったことを解明するために室内での分析が必要になります.その結果をうけて,再び野外調査へ出かけるといった平行作業が続けられるのです.
例えば地層に含まれている化石を鑑定して,その地層の形成年代や堆積環境を知ったり,分布の離れた火山岩の組成を比較して,その関連性を考えたりします.時には,野外で砂岩だと思って採取してきたサンプルが,顕微鏡で調べてみて火山岩とわかったなど,間違いを訂正したりもします.これら室内分析の結果は,次回の調査の計画に生かされます.
余談になりますが,地質部の制作する5万分の1地質図幅や20万分の1地質図幅は,ひとつの地域が四角形の図面として規格になっています.しかし,現実には地層は四角形とは無関係に分布していますし,海岸線などの地形も四角形とは無縁です.このため,四角形の図面の地域の地質図を完成させるためにも,実際にはその周辺部まで含めた広い調査が必要になります.ひとつひとつの地質図の質を保つためには,そこに現れない労力が必要なのです.
ひとつ前のページに戻る
地質部のトップページへ