この石に注意
「有名な山の頂上には必ず花崗岩がある.(三角点のこと)」というのは地質学を習い始めた頃に冗談で聞かされた話ですが,似ている石,間違いやすい地層はあるものです.いろいろな条件が重なることにもよりますが,「おやっ」と思うようなことがあったら,疑ってみましょう.
- 露頭の切り口
意外に惑わされやすいのが,露頭の切り口で見え方が異なる場合です.露頭の表面は完全な平面であることはむしろ少なく,多少の凹凸がついています.すると,例えば貫入岩の貫入面が露頭面に平行に近いときは,非常に乱れた接触面に見えてしまいます.こんなときには,図のように別の断面が観察できればすぐにわかりますが,常に頭の中で地質の三次元的な広がりを考えておくのも大切です.
- 無斑晶質の火山岩
無斑晶質の火山岩は各地に産しますが,古い時代のものや貫入岩になると,火山特有の地形を失っていて判別に迷うことがあります.特に風化の進んだ露頭では,砂岩や頁岩と混同することがありますし,新鮮な場合でもスレートと似ています.弱変成して硬くなったガラス質凝灰岩を無斑晶質の溶岩と間違えることもあります.野外での観察では,褶曲した流理を見つけられれば判別はつきます.わかりにくい場合は迷わずサンプリングし,鏡下で判断しましょう.
- 砂泥互層
遠洋性の堆積物としてよく産するタービダイトなど,砂泥互層は日本の各地に分布します.露出の良い沢などでは良いのですが,露頭の少ない尾根道などでは砂岩ばかりが残っていることが少なくありません.これは,風化に対する抵抗度の違いが主な原因ですが,尾根道主体の調査では,砂岩と泥岩の正確な量比が得られないことになります.
堆積岩地帯での粒度の判別も,時としては要注意です.粗粒な岩相を見慣れた目には,挟在する細粒砂岩をより細粒なシルト岩に感じたり,その逆の場合もあります.正確な判別が必要な調査には,粒度サンプルを携帯するとよいでしょう.
このページでは,露頭観察での注意点,些細な教訓を集めていきたいと思います.
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