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9月21日台湾集集地震(M7.7)に伴う地表地震断層調査 |
苅谷愛彦・吾妻 崇・杉山雄一(地質調査所),李 元希・石 同生・盧 詩丁・呉 維毓(経済部中央地質調査所)
著者らは,10月19〜23日の5日間,9月21日の集集地震に伴って出現した地表地震断層(第1図)の現地調査を行った.
本調査では,地震断層の断層パラメーターの取得に調査の目的を絞った.そのため,断層に切られる複数の直線状構造(道路,フェンス,果樹園の支柱など)が計測できる地点を探し,これらの線状構造をトータルステーションを用いて,位置と高度を正確に測量することに力を注いだ.
測定地点の探索・選定に当たっては,中央地質調査所のこれまでの踏査結果を活用すると共に,太田陽子氏のアドバイスを頂いた.
第4図と第1表及び第2表に示すように,地震断層上の12地点において,合計15組の断層パラメーターセットを取得した.
測量結果の1例を第2図に示す.
15組のパラメーターセットのうち,TW14-1とTW14-2の2組については,各々,道路脇のフェンス(等間隔の構造をもつ)とブドウ園のネットの支柱鋼線(概ね等間隔)の精密測量結果に基づいて,原位置を復元し,現在の位置とのずれから値を算出した.その他の13組のパラメーターセットは,2つの異なる方向の直線状構造の測量結果から,値を算出した.
このような場合の,断層パラメーター(例えば,横ずれ量と傾斜方向の水平変位量=短縮量)を算出する方法を第3図に示す.
地震断層北端部の東西走向の部分では,得られた3つの水平変位ベクトルは,いずれもほぼ南北の方向を向いている.
草屯〜霧峰以北の,全体として南北走向の部分では,得られた4つの水平変位ベクトルはほぼ北西方向を向いている.
草屯より南の地域では,得られた6つの水平変位ベクトルは南西ないし西の方向を向いている.
全体として南北走向を示す部分では,断層線の屈曲に対応して,走向がNWに振れる(反時計回りに変化する)と
ころでは変位ベクトルも反時計回り方向に振れ,走向がNE方向に振れる(時計回りに変化する)ところでは変位ベクトルも時計回り方向に振れる傾向が見られる.
得られた断層面の傾斜は59°〜17°であるが,全15個のデータのうち,12個は59°〜39°の範囲に含まれる.
今回著者らが得たデータは,大槻(1999)の同様の手法による結果(10月26日開催の文部省突発自然災害調査班速報会資料)と調和的である.
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5.断層パラメーターが示唆する地震断層に沿う物質移動 |
変位ベクトルの向きの分布は,隆起側の(表層)地塊が全体として,震源域の外側に向かって,張り出すようにして(発散するようにして)低下側に衝上したことを示す.
これは,地表地震断層の変位には,震源断層の活動による概ね北西方向への変位(衝上運動)とは別に,他の何らかのメカニズム(可能性の高いものとしては,隆起側地塊の重力による移動[地滑り?],粘性流動的な動きなど)による成分が,大きく寄与していることを示唆する.
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