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安達太良山の最近の状況

99.11.25更新

最新状況

安達太良火山,1999年4月末の沼ノ平の状況

 1996年から始まった沼ノ平火口での泥熱水の噴出は,99年4月末現在も続いている ことが確認されました.写真1は自然公園指導員の二瓶正敏さん(二本松市岳温泉在住)が4月27日午後2時頃,火口東北縁の鉄山付近から撮影したものです.火口中央部に黒く見えるのが,活動中の泥熱水噴出口で,噴気が上がっています.その手前の灰色部は,既に活動を停止した噴出口です.また,写真の右手(火口底北西部)に見える窪地も従来から活動を続けている泥熱水噴出口です.沼ノ平中央部から南側にかけての噴気地熱地帯からも依然として活発に噴気が出ています.

 写真2は,同じく二瓶さんが96年9月1日に鉄山から撮影した沼ノ平火口の様子で,微小な水蒸気爆発が起きた直後のものです.火口底中央部の噴出口から周囲100mの範囲に灰色の泥が飛散した様子が良く分かります.


1997年9月15日火山ガス事故

1997年9月15日午前,安達太良山沼ノ平火口を登山中の登山者4名が倒れるという事故が発生しています.午後2時前,救助隊により死亡が確認されました.
沼ノ平では昨年から泥水の噴出と噴気活動の活発化が観測されています.噴気孔からは有毒な火山ガスが噴出しており,気象条件によっては立ち入りは危険です.なお,火山観測情報(9月15日15時20分福島地方気象台発表)によれば,火山性地震の発生回数などに特に変化はありません.


現地調査報告


安達太良山沼ノ平火口底調査

福島県に位置する安達太良山では昨年9月に泥水噴出が確認された. 4月25日の気象庁が実施した現地調査では,昨年9月の泥水噴出口は活動を停止していたが,新たに異なる位置に泥水湧出口が生じている事が確認された.

[ 地質部 山元孝広さんのメモ]

1997年5月26日11時から12時に沼ノ平火口底の調査を行った.

  1. 96年に泥噴出のあった,A, B, cは現在も活動を停止している(96年9月16日当時ですでに停止していた).Aの噴出口の温度は16度C, Cは20度C, Bは埋まっている.
  2. もっとも大きく,96年9月1日に水蒸気の突出のあったC噴出口からN17W方向に60mの地点に,D噴出口が,さらに,DからN37W方向に10mの地点に,E噴出口が新たに形成されている.
  3. D噴出口の直径は1.1mで,泥水湧出はすでに止まっている.堆積物は7cm厚,噴出口には泥水が溜まり,その温度は18度C, 盛んに無色のガスが出ている.
  4. Eでは径約3.5mの泥水プ−ルができ,中央から水蒸気と硫黄臭の強いガスを伴って,盛んに泥水fountainingがおきている.泥水の温度は93度C.
  5. 沼ノ平火口底の西縁と東縁では噴気活動が活発で,噴出口には硫黄の昇華物ができている.温度は,西縁で100度C,東縁で97度C.とくに東縁の噴気活動は昨年の夏以降に活発化したそうである(地元の人の談話)

Adatara.GIF


関連リンク

日本大学千葉達郎さん のページ:97年5月2日の状況(住鉱コンサル鴨志田さんの報告)

97年5月26日の現地映像

ビデオからの取込画像です.
QuickTimeムービーはこちら.

Ada_03.GIF
安達太良山山頂,沼の平火口を東側から見る.新たな泥噴出口は火口底北側(向かって右側)の白い筋中央にある.

Ada18.GIF 泥噴出口の拡大映像.中央がもっとも活発なE噴出口.

Ada_01.GIF 新噴出口全景.右がD噴出口,中央がE噴出口.

Ada_02.GIF E噴出口.

Ada07.GIF E噴出口で湧出する泥水.

Ada08.GIF D噴出口.

Ada09.GIF D噴出口から噴き出す泡.


火山地質研究室ホームページ