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<鉱物としての特徴>
・化学式は,(Ce, La, Nd)PO4である.微量成分としてトリウム(ThO2として4-10 %程度)を含むため,モナザイトは放射能を持つ.トリウムは,232Thの半減期140億年でα-崩壊し,208Pbへと変わる.
・色は褐色で,その結晶は板状を示す.結晶は大きいものでは長さ3 cm程度.普通は100 ミクロン程度.比重は4.6-5.4と大きい.
・その後,モナザイトの主成分であるセリウム(Ce),ランタン(La),ネオジウム(Nd)などの希土類(レアアース)元素が下記のような用途に利用されるようになり,重要なレアアース資源となった.レアアースは特にハイテク産業には不可欠な金属資源である.
Ce---レンズの研磨材,磁石や合金の材料,触媒,ガラスの着色剤
・オーストラリア,インド,ブラジル,マレーシア,タイ等には,資源として価値のある鉱床があるが,日本では岐阜県南東部の苗木地方や福島県石川地方の小規模な漂砂鉱床の試掘例が有るだけで,資源的価値のある鉱床は存在しない.
・モナザイトの2大産地であるインドとブラジルではモナザイトを原子力物質として輸出を禁じ,トリウム,ウランを抽出し,残ったレアアースを塩化物の形で輸出している.日本はこれを輸入して利用している.
・最近ではレアアースは中国やアメリカの大型のカーボナタイト鉱床から供給されるようになり,モナザイトの需要は減少した.
・東南アジアで,錫やカオリンを採取したあとに放置されたモナザイトなどを含む重砂(アマンと呼ばれる)が放射能汚染を引き起こしているとして問題となったことは記憶に新しい.
・近年の健康器具ブームの折,循環式風呂の浄水装置にモナザイトなどを利用すると放射能による殺菌作用やラドン温泉同様の効能があるのでは?といった観点からの利用も考えられているようだが,その効能については検証されているかどうかは不明.
・希土類元素であるセリウム,ランタン,ネオジムを主成分とする燐酸塩鉱物.
<産状>
・石材としてよく用いられる花こう岩中の副成分鉱物として普通に産する(花こう岩1 kg中に80 mg程度).特に大きな結晶は花こう岩に伴うペグマタイト中に産する.モナザイトは比重が大きく,風化に強く,分解しにくい.このため,花こう岩などが風化すると,モナザイトが分離し,川や海の水の作用で他の比重の大きい鉱物と共に濃集することがある(漂砂鉱床と呼ばれる).オーストラリア,インド,ブラジル,マレーシア,タイなどの海浜砂中に重鉱物として豊富に産出する.
<資源・環境>
・ThO2を4〜10%含むことから第二次大戦後は核兵器用トリウムの鉱石として重要視された.
La---光学ガラス,コンデンサーなどの電子部品,合金,超伝導材料
Nd---ガラスの着色剤,テレビのブラウン管などのレーザー発光体
その他,これらはライターやガスコンロの着火材料としても利用されている.
2000.6.16 作成:坂野靖行・須藤定久