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  簡易モデル数値シミュレーションによるマグマ−熱水系賦存環境の多様性の基礎的検討

福島−栃木地域に分布する30-10万年前のプリニー式降下火砕物:沼沢・燧ヶ岳・鬼怒沼・砂子原火山を給源とするテフラ群の層序

簡易モデル数値シミュレーションによるマグマ−熱水系賦存環境の多様性の基礎的検討

茂野 博(地殻熱部)

1999

vol. 50 (12), P. 725-741

7 図., 5 表

Keywords:magma-hydrothermal system, geothermal resources, geothermal reservoir, cap rock, thermal history, modeling, numerical simulation, deep drilling, Deep-Seated Geothermal Resources Survey

[ 要 旨 ]
未解明の点が多い深部地熱資源の巨視的な実態把握を目的として,地熱貯留層に高い「拡張熱伝導率」を仮 定する垂直1次元非定常の熱伝導モデルに基づいた,マグマ−熱水系の数値シミュレーション手法を提案した.この簡 易的な手法を多様な仮想的条件に適用し,(1)マグマ溜の頂部の深度,(2)貯留層の底部・頂部の深度,(3)マ グマ溜の厚さ,および(4)貯留層の「拡張熱伝導率」が,地下の温度分布の経時変化に与える影響を,半定量的に解 析した.  マグマ溜頂部の深度が深い場合(地表からの深度6km)は,浅い場合(同4km)に比較して,深度1〜4kmレベルの貯留層の加熱効率は当然悪い.しかし前者の場合でも,厚い貯留層構造がより深部にまで発達し,特に適当な帽岩を伴う条件では,深部に長寿命の高温熱水系の生成が可能である.このような型の深部貯留層は,浅いマグマ溜の周辺に分布する型の深部貯留層に比較して,温度や規模について発電開発により適している場合があり得る.

福島−栃木地域に分布する30-10万年前のプリニー式降下火砕物:沼沢・燧ヶ岳・鬼怒沼・砂子原火山を給源とするテフラ群の層序

山元孝広(地質部)

1999

第50巻 第12号,743-767頁

15図, 4表

Keywords: tephrostratigraphy, Numazawa volcano, Hiuchigadake volcano, Kinunuma volcano, Sunagohara caldera, Pleistocene

[ 要 旨 ]
本報告では,東北本州弧南部の福島−栃木県に分布する約30-10万年前のテフラ,すなわち日光−満美穴テフラ・沼沢−芝原テフラ・燧ヶ岳−七入テフラ・鬼怒沼−黒田原テフラ・砂子原−久保田テフラ・高杖テフラの層序学的位置と記載岩石学的な特徴を新たに記載するとともに,これらの噴火年代を再検討した.日光−満美穴テフラは約10万年前に日光火山群から噴出した体積約9km3の降下火砕堆積物,沼沢−芝原テフラは約12万年前に沼沢火山から噴出した体積約4km3の降下火砕堆積物,燧ヶ岳−七入テフラは約16-17万年前に燧ヶ岳火山から噴出した体積約7km3の降下火砕堆積物と約1km3の火砕流堆積物,鬼怒沼−黒田原テフラは約20-24万年前に鬼怒沼火山から噴出した体積約5km3の降下火砕堆積物と約1km3弱の火砕流堆積物,砂子原−久保田テフラは約22万年前に砂子原カルデラから噴出した体積約4km3の降下火砕堆積物と約2km3以上の火砕流堆積物からなる.会津地域での沼沢火山・砂子原カルデラと尾瀬地域での鬼怒沼・燧ヶ岳火山の出現は,約30万年前以降に両地域で相前後しながら火山活動域が背弧側に拡大したことを示している.