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ガスハイドレートの相平衡条件推定のための統計熱力学的モデルの構築 |
複数の極浅孔を用いた坑井間反射法地震探査実験 |
大阪市天王寺区夕陽丘600mボーリングコアの岩相・火山灰層序 |
マイクロ PIXE によるステンレスと珪酸塩ガラス中の微量元素の分析 |
第254回地質調査所研究発表会講演要旨(特集 生活と地質−首都圏とその周辺−) |
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ガスハイドレートの相平衡条件推定のための統計熱力学的モデルの構築
前川竜男(地殻化学部)・今井 登(地殻化学部)
1997
第48巻 第12号,645-651頁
6図,1表
Keywords: gas hydrate, clathrate hydrate, statistical thermodynamic modeling, phase equilibrium condition
[ 要 旨 ]
天然ガスハイドレートの相平衡条件は,ガスハイドレートの資源量を評価する際,必要であり,数多くの合成実験の他,統計熱力学的モデルからも天然ガスハイドレートが安定に存在する温度・圧力条件の検討が行われている.本研究では,van del Waals and Platteeuw(1959)のモデルを基にメタンハイドレートの統計熱力学的モデルを構築した.また,ガスハイドレートの相平衡条件の算出に重要な2つのパラメータ(△μLW,O,△hW,O)を,合成実験より求めたメタンハイドレートの相平衡条件から推定した.その結果,△μLW,O,△hW,Oの値としてそれぞれ1247J/mol,-4951J/molが最適値であると推定した.
複数の極浅孔を用いた坑井間反射法地震探査実験
松島 潤(東京大学工学部)・横田俊之(石油公団)・加野直巳(地殻物理部)・山口和雄(地殻物理部)・木口 努(地殻物理部)
1997
第48巻 第12号,653-660頁
13図,2表
Keywords: cross-well survey, seismic reflection, diffraction stacking, high resolution
[ 要 旨 ]
工業技術院筑波研究センター構内の松林の中に設けられた弾性波伝播特性実験場において坑井間反射法地震探査記録を取得した.一般に坑井間反射法地震探査記録は以下の特徴を有する.
(1)探査ターゲットに近づいて探査を行うため,地表からの探査に比べて高分解能の記録が得られる.(2)地表付近の軟弱層(一般的には低速度であり,地震波動の高周波成分を減衰させる)の影響を受けない.(3)表面波の影響を受けない.
坑井間反射法地震探査記録は2種類の受振器(埋設3成分受振器及びボアホールシャトル)により取得し,得られた記録の品質を比較した結果,地層とのカップリングが良好な埋設3成分受振器を用いた方がS/N比の高い記録が得られた.埋設3成分受振器で取得された坑井間地震記録に対して重合速度解析を伴った散乱重合法処理を適用し,重合断面を作成した.その結果,この坑井間地震記録より得られた重合断面は地表から行われた反射法地震探査と比較してより詳細な地層構造を与えることを示した.
また得られる重合断面は用いる周波数によってその反射面構造の見え方は本質的に違ってくる可能性があるため,重合断面が高分解能化するにあたりその解釈において注意を要することを一次元の数値実験により示唆した.
大阪市天王寺区夕陽丘600mボーリングコアの岩相・火山灰層序
吉川周作(大阪市立大学理学部)・佃 栄吉(地震地質部)・三田村宗樹(大阪市立大学理学部)・中川康一(大阪市立大学理学部)・水野清秀(地震地質部)・東脇愛子(大阪市立大学理学部)・片岡香子(大阪市立大学理学部)・高橋 誠(地震地質部)
1997
第48巻 第12号,661-672頁
3図,1表
Keywords: Osaka plain, Quaternary, Osaka Group, litho-stratigraphy, tephrostratigraphy, volcanic ash layer, boring-core
[ 要 旨 ]
大阪市天王寺区夕陽丘の標高20mの上町台地面から,深度603.0mまで掘削された夕陽丘ボーリングコアの岩相・火山灰層序,挟在する火山灰層の岩相・岩石記載的性質を明らかにした.そして,海成粘土層の挟在層準と鍵層である火山灰層の岩相・岩石記載的性質に基づいて,陸上部の大阪層群標準層序,さらに大阪平野地下の第四系の標準となっているOD-1・OD-2ボーリングコアとの対比を行った.その結果,1)岩相の違いによって,淡水成の砂・シルト層主体のYU-A層(深度603.0-320.8m)と海成粘土層と淡水成の砂・シルト層の互層からなるYU-B層(深度320.8-20.0m)に区分できること,2)YU-A層中のYU542火山灰層,YU-B層中のYU263,YU261,YU210,YU173,YU163,YU128,YU123,YU117,YU113,YU65,YU64火山灰層は,それぞれ,福田,イエローU・V,ピンク,光明池W,山田U,アズキ,トヨダ池,盆ノ池,狭山,八町池T・U火山灰層に対比できること,3)これらの火山灰対比に基づき,深度300.5-290.9m,271.7-253.4m,223.1-216.0m,163.6-149.4m,128.3-104.9m,96.7-86.4m,66.0-58.9m,53.0-41.8m,36.7-30.1mの各海成粘土層は,Ma-1,Ma0,Ma1,Ma2,Ma3,Ma4,Ma5,Ma6,Ma7層にそれぞれ対比可能であることを明らかにした.今回,夕陽丘ボーリングコアで明らかにした岩相・火山灰層序は,今後周辺域で掘削されるボーリングの層序や地下地質研究を進める上で,基準になると考えられる.
マイクロ PIXE によるステンレスと珪酸塩ガラス中の微量元素の分析
黒澤正紀(筑波大学地球科学系)・大井英之((株)クレステック)・出口 匡(筑波大学地球科学系)・村尾 智(資源エネルギー地質部)・William J.TEESDALE(ゲルフ大学)・John. L. CAMPBELL(ゲルフ大学)
1997
第48巻 第12号,673-689頁
10図,2表
Keywords: PIXE, ion beam, quantitative analysis, stainless steel, silicate glass
[ 要 旨 ]
PIXE による遷移金属の定量精度を評価するために,ステンレス鋼(GK-19)と珪酸塩ガラス(JA-1, JB-1a, JF-1, JGB-1)中の微量元素をGuelph大学のマイクロ PIXEと解析ソフトウェアを用いて定量した.ステンレス鋼のNiの分析結果は推奨値と誤差3%で一致し,解析ソフトの二次蛍光励起補正は十分であることが示された.また,Mn, Co, Cu などの遷移金属も主成分に近い濃度であれば,相対誤差10%以下で定量できることが示された.珪酸塩ガラス中の微量のMn, Cuの定量結果は推奨値よりも20%及び40%低い値を示した.この不一致は,解析ソフトの繰り返し計算での系統誤差とガラス作成時のCuの損失によるのかもしれない.JB-1aとGb-1の Ni 濃度は,相対誤差15%と3%で推奨値と一致した.CuとAgを除く全微量元素の平均的な定量精度は相対誤差でJA-1とJB-1aが 9%,JF-1が10%,JGb-1が16%である.
第254回地質調査所研究発表会講演要旨
(特集 生活と地質−首都圏とその周辺−)
