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電子技術総合研究所が107周年を迎えたことを皆さんとともに喜びたいと思います。この長い歴史の中で私たちは貴重な経験を重ね、たくさんのことを学んできました。現在の電総研は先輩たちが築き、私たちが引き継いで育ててきたものです。私たちはさらに、今置かれた時代を踏まえた認識の上に、一層の知恵を出し努力を重ねなければならないという思いを一つにする、記念の日としたいと思います。
さて私は常日頃、ヒアリングの場で聞く立場、喋る立場を通じて、説明することの難しさを痛感しています。きょうは研究の立場で「説明義務」ということを考えてみたいと思います。
創立記念式典(7月1日大会議室)
一つ目として、まず自分の仕事が今後どのように役に立つかといった将来へのビジョンを自分自身が心底納得して持つこと。二つ目として、そのビジョンが正しいかどうか確認するために、様々な人に問いかけ、意見を聞き、確固とした信念を持つに至ること。
人に説明するとき、私が皆さんに強調したいことは、言葉の理解度は人それぞれで大きく違うということです。相手が専門内の人か、専門外の人か、あるいは全くの一般の人かによって当然使う言葉の範囲も違ってこなければなりません。自分がわかっているから相手にはわからなくてもいい、協力だけしてくれ、という態度では少々困ります。
ビジョンの説得、つまり説明には非常な忍耐が要求され、バイタリティも必要だと痛感しています。そうした説明の場を経て得ることのできた、「確信あるビジョン」こそが、信念を生み出すのであって、信念なしには責任と自信を持って仕事をやり遂げることができないと思います。
以上、研究課題の明確なビジョンを持ってこそ、説明義務、つまりアカウンタビリティが果たせるのだという話をさせていただきました。途中のプロセスではなく結果だけが評価されるこの時代ですが、今申し上げたような努力を積んで、皆さんの成果が正しく評価され、電子技術というジェネリックな技術を通して公共に貢献できるよう願っています。